SuperKEKB電子陽電子衝突型加速器のための新型バンチ振動レコーダーの開発

Sumitted to PubDB: 2025-01-30

Category: Master Thesis

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Principal Authors Riku Nomaru
Date 2025-01-30
Belle II Number BELLE2-MTHESIS-2025-001
Abstract SuperKEKB/Belle II実験では、4 GeVの陽電子と7 GeVの電子を衝突させ新物理探索実験を行っている。この実験には、ルミノシティを大幅に向上することが必要であり、瞬間ルミノシティを現在の10倍以上に向上することを目指している。しかし、突発ビームロス事象という新奇な現象が安定な加速器運転を妨げている。これはビームが数十マイクロ秒の間に突然損失する現象で、この現象が起こる原因は未だ完全には特定されていない。突発ビームロス事象を詳細に解析し解明に繋げるために、本研究ではAMD/Xilinx社製のRF System on Chipを用いて、可搬性を備えた新型Bunch Oscillation Recorder (BOR)を開発した。BORは、ビームアボート直前のビーム位置と電荷をバンチごとに測定・記録するビーム診断デバイスである。 開発した新型BORはバンチ電流0.5 mAで位置測定精度30 μmを達成し、バンチ毎位置モニターとして設計通りの性能で動作していることも確認された。 このBORを用いてリング上の複数点でバンチ毎にビーム診断できるシステムの構築を行い、突発ビームロス事象のような急速に発展するビーム不安定性の成長を詳細に観測・解析することが可能となった。 新型BORを用いて突発ビームロス事象を実際に観測し、観測結果の解析も行った。 バンチ振動と電荷損失のパターンを解析することで、突発ビームロス事象は真空チェンバー内で発生する圧力バースト現象と深い関係性を持っていることが分かった。 この圧力バースト現象はほとんど全ての突発ビームロス事象に付随して起こる現象で、圧力バースト現象が起きる箇所が異なると振動パターンも異なることを発見した。 また、圧力バースト現象が起きた箇所でバンチが何らかの力を受けて振動が始まっているのではないかと考えられ、力を受けてからビーム損失するまでのバンチの挙動についても考察することができた。 この観測と解析によって、突発ビームロス事象の原因や発生過程についての理解を大きく深めることに繋がった。 このように、今回開発したBORが突発ビームロス事象の解析において有効であることが示されたことから、今後のバンチ毎ビーム診断システムのベースとして活用されることが期待されている。 このシステムをさらに増設・発展させることで、突発ビームロス事象だけでなく、他のビームダイナミクスに関する問題解決にも寄与できると考えられる。

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