Installation of Belle II TOP counter and study on the mechanical characteristics under the magnetic field (in Japanese)
Category: Master Thesis, Visibility: Public
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Authors | Ryotaro Komori |
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Date | Jan. 1, 2018 |
Belle II Number | BELLE2-MTHESIS-2019-011 |
Abstract | Belle II 実験は電子・陽電子を衝突させてB 中間子対を生成し、その終状態の精密測 定から新物理の観測・解析を行う。Belle II 実験では前身のBelle 実験の50 倍となる50 ab1 のデータを収集する。B 中間子の精密測定にはその崩壊過程に含まれるK 中間子と 中間子の識別が重要となる。我々は新型粒子識別装置TOP (Time Of Propargation) カウンターを開発・導入し、運動量3 GeV/c 以上のK= 中間子に対して95 %以上の識 別効率と、5 %以下の誤識別率を目指す。 TOP カウンターは粒子ごとのチェレンコフ光の放出角の違いによる、光子検出時間差 を利用した粒子識別装置である。その構造は、TOP カウンターの大部分を占めるチェレ ンコフ光を伝搬する石英輻射体と、その片側の端面に取り付けられる角形光検出器MCP (Micro Channel Plate) -PMT からなる。MCP-PMT は4 個を1 組のPMT モジュールと して組み上げてTOP カウンターに導入される。K= 中間子の光子検出時間差はO (100 ps) であり、光子検出時間のわずかなズレが識別効率に大きな影響を与える。TOP カウ ンターの性能は石英輻射体での光子伝搬時間と、光検出器の光子検出数によって決まる。 私はこの2 点に対して機械的側面から研究を行い、TOP カウンターに要求される性能の 実現にむけて成果を上げた。 光子伝搬時間に影響を与える機械的要因として、TOP カウンターの歪みがあげられ る。TOP カウンターが歪むと内部の石英輻射体が歪んでしまい、チェレンコフ光の伝搬 光路に変化が生じるため光子検出時間や検出するチャンネルに狂いが生じ、正確な粒子 識別ができなくなる。これを防ぐために我々はTOP カウンターの製造時からBelle II 検 出器へのインストール後まで、TOP カウンターが歪まないように細心の注意を払った。 TOP カウンターの変形を防ぐために、支持構造体をTOP カウンターに取り付け、さら にベッセル点という物体の歪みが最小になる2 点で支持しながらインストールできるよ うに、専用の治具を設計、製作した。特に私はTOP カウンターのBelle II 検出器への インストール開始から終了までの歪みの変化をストレインゲージとダイアルゲージを用 いてリアルタイムでの測定を行い、光子検出に影響を与えるような歪みがないことを確 認した。インストール後のTOP カウンターは両端でBelle II 検出器に固定されるほか、 両脇で両隣のTOP カウンターと連結され、自重での変形を防ぐ。 Belle II 検出器へのインストール後に磁場中でのTOP カウンターの動作試験を行っ たところ、TOP カウンター内部でMCP-PMT が磁場の影響を受けて回転してしまい、 光子検出が数%低下している領域があることが確認された。これを防ぐためにPMT モ ジュールの補修が予定されたが、MCP-PMT の個数や補修が可能な期間の短さから迅速 かつ確実な手段が求められた。私はダミーのMCP-PMT を用いたPMT モジュールを作 成し、MCP-PMT をPMT モジュールの中でより強固に固定する手段を模索した。それ らのPMT モジュールに対して長期に負荷をかける試験やBelle II 実験の時と同様の磁 場をかける試験を行い、MCP-PMT の磁場中での回転を防ぐ手法を確立した。 本研究により、TOP カウンターの粒子識別の識別効率を下げる機械的要因を実験開 始前に取り除くことができた。この成果はTOP カウンターが目指す識別効率を実現す ることにつながる。 |
Conference | Nagoya |
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