Development of MCP-PMT performance test system for Belle II TOP counter (in Japanese)

Sumitted to PubDB: 2019-11-06

Category: Master Thesis, Visibility: Public

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Authors
Non-Belle II authors Hideki Takeichi
Date Jan. 1, 2012
Belle II Number BELLE2-MTHESIS-2019-020
Abstract 2015 年に始まるBelle II 実験は電子陽電子衝突型加速器を用いて生成したB 中間子の 稀崩壊現象の精密測定を行う。8 × 1035cm−2s−1 の世界最高ルミノシティーにより素粒子 標準理論を越える物理の探索を目的とする。Belle II 実験のK/π粒子識別装置TOP(Time Of Propagation) カウンターは石英輻射体と光検出器MCP-PMT(Micro Channel Plate-Photo Multiplier Tube) から構成され、識別効率95% 以上、誤識別率5% 以下を目指している。 MCP-PMT には一光子検出が可能、50ps 以内の時間分解能、量子効率(QE) が24% 以上 など高い性能が要求される。 現在TOP カウンターの製作のためMCP-PMT の量産が始まっている。3 年弱でMCPPMT を550 個揃える予定であり、それらの選別が必須である。また量産品の性能を生産 にフィードバックし量産を円滑に進める仕組み、及びMCP-PMT の較正を行う仕組みが 必要である。そこで本研究では、量産品の性能測定システムを構築することを目的とす る。本システムでは24 時間以内にMCP-PMT2 個が測定できる速度を要求した。また以 下の測定精度を要求した。 ・量子効率相対的に± 5% ・ゲイン± 10% ・時間分解能± 5ps ・ダークレート± 10% ・収集効率相対的に± 5% これ等を基にQE 自動測定システムと、ゲイン、時間分解能、ダークレート、収集効率を 測定する一光子特性自動測定システムを構築した。また完成したシステムで初期量産品 の品質確認を実際に行った。 QE 自動測定システムでは照射光に対する出力電流からQE を算出する仕組を構築した。 1.7% 以内の精度で検出効率の分かっているフォトダイオードでの光量把握により2.0% の QE 測定精度を実現し、かつ全自動化により一個のMCP-PMT あたり9 時間半の測定を可 能にした。また一光子特性自動測定システムでは時間広がり17ps のレーザー光を一光子 状態に減光してMCP-PMT に照射したときの出力信号から各特性を算出する仕組を構築 した。MCP-PMT 一個の全16 チャンネルの測定を連続で自動に行うことでMCP-PMT 一 個あたり6 時間での測定を可能とした。QE 自動測定システムとの同時稼動により24 時 間でMCP-PMT2 個以上の測定が可能である。また精度は時間分解能± 2ps、ダークレー ト± 5% での測定を可能とした。一方でゲインの測定精度は課題が残る。また収集効率 は絶対値精度に課題があるが、5% 以内の精度で量産品同士の相対値測定を可能にし、約 5% の精度での絶対値測定の実現性を示した。また初期量産品の測定から低量子効率や放 電の問題を明らかにし生産方法に見直しを求めた。 本研究の成果は、MCP-PMT 量産品の性能測定システムの構築、および初期量産品に 対する性能評価を実施し今後の量産の課題を明確にしたことである。
Conference Nagoya

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