Belle 実験におけるPID検出器のアップグレードの為のエアロゲルRICHに用いる2 層一体型エアロゲル輻射体の研究開発

Sumitted to PubDB: 2021-06-29

Category: Master Thesis, Visibility: Public

Tags: -

Authors
Non-Belle II authors Shinzo Otake
Date Jan. 1, 2005
Belle II Number BELLE2-MTHESIS-2021-053
Abstract 2001 年7 月にBelle実験の大きな目的の一つであった。B中間子のB0 → J/ψKS、B¯0 → J/ψ KS の崩壊において、間接的ではあるがCP 対称性の破れがあることがわかった ことがローマで開催された高エネルギー学の国際会議で報告された。また、2004 年1 月 にはB0 → π+π−、B¯0 → π+π− の崩壊において直接的なCP 対称性の破れがある事が わかった。 これらから、標準理論の中でのCP 対称性の破れを予言している小林-益川理論のた また、より詳細な小林-益川理論を確立するだけでなく、新しい物理を見つける為にも より高いルミノシティーを獲得し、またそれを検出できるだけの性能を持つ検出器が要 求されてくる。 Belle 実験ではより高いルミノシティーを目指しKEKB 加速器をアップフレードが計 画されており、それと同じくBelle ディテクターもアップグレード計画がある。そのサブ ディテクターグループであるACC では現行の閾値型のエアロゲルチェレンコフカウン ターから一部分をproximity focusing リングイメージ型チェレンコフカウンターに変更 し、より広い運動量領域での粒子の識別を可能にする予定である。また、その際、輻射体 であるシリカエアロゲルを屈折率の違う2 枚(デュアル・ラディエーター) 若しくはそれ 以上の枚数のシリカエアロゲル(マルチ・ラディエーター) を用いることでリングイメー ジをfocus、defocus する事で検出光子数を落とさずに角度分解能を上げられる事が、今 まで行われてきたビームテストで確認された。更に、そのデュアル・ラディエーターや マルチ・ラディエーターをシリカエアロゲルの製作の段階で一体化させてしまう事で表 面の数の減少から表面散乱の軽減が期待できる。本論文では、そのproximity focusing リングイメージ型チェレンコフカウンターの輻射体であるシリカエアロゲルを違う屈折 率を持つエアロゲルをその製作の段階で一体化させてしまうことで輻射体としての性能 の変化をみてみたので、その結果について報告する。 第1 章では、Belle 実験について、CP 対称性の破れとB ファクトリー、Belle 検出器 について、最近の結果を踏まえて述べる。 第2 章では、第1 章で説明したBelle 検出器の1 つであるシリカエアロゲルチェレン コフカウンター(ACC) について述べる。また、現在のBelle 検出器の閾値型シリカエア ロゲルと2006 年のBelle 検出器をアップグレードする時に採用を予定しているリングイ メージ型チェレンコフカウンター(RICH) について。 第3 章では、チェレンコフカウンターの輻射体として用いられているシリカエアロゲ ルについて述べる。この章では本論文で、研究した2 層一体型エアロゲル 第4 章では、製作した2 層一体型エアロゲルの性能を透過長、屈折率を 第5 章では、結論を述べる。
Conference Chiba

Files