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1. Development of particle identification based on the photon hit pattern recognition by machine learning technique at Belle II TOP detector (in Japanese) / Shunki Hara [BELLE2-MTHESIS-2021-013] Presented on 15 02 2021 MSc
2021
Nagoya university / Nagoya
Belle II実験は電子・陽電子衝突から生み出される、高統計量のB中間子や粒子などの崩壊の精密測定によって、標準理論の精密検証や新物理探索を目指している。それらの解析に重要な荷電=K識別を担うのがTime-Of-Propagation (TOP)カウンターである。TOPカウンターは荷電粒子が石英輻射体に入射した際に、質量に応じてチェレンコフ光が異なるリングイメージをもつことを利用して識別を行う。現行の粒子識別手法では飛跡情報を用いて粒子の種類を仮定した確率密度関数を計算し、それに光検出器で検出した光子情報を当てはめて尤度を導く。しかし、解析計算において、複雑なリングイメージに対してすべての効果を反映させるには限界がある。さらに、シミュレーションにおいて理想的な確率密度分布を用いた場合に比べ、一部の領域で識別性能が低いことが先行研究で示されている。そこで、本研究では機械学習を用いた新たな粒子識別手法を開発した。機械学習としてニューラルネットワークを用いることで、飛跡と光子の8つのパラメータの非線形関係を考慮した学習を行い、解析計算での表現が難しい影響も含めたモデル構築が可能である。さらに、学習済みモデルを用いてオフライン識別を行うことができる。本研究では、シミュレーションデータを用いて新手法の全体構成の決定と識別性能評価を行った。まず、学習に用いる粒子の入射位置および運動量の範囲(学習領域)に対する依存性を調べた。その結果、学習時のメモリサイズが制限される状況で十分な識別性能を得るためには学習領域の制限が必要であることを示し、104個のネットワークを用いた構成を決定した。さらに、これが実用上のメモリ使用量と計算速度の観点から、オフライン識別可能であることを示した。また、この構成を用いて評価を行い、粒子取得効率90%におけるK粒子誤識別率を最大で22%から14%に削減した。同時に、入射領域を固定した2:75 GeV=cおよび1:25 GeV=cの粒子を用いた評価においては、理想的な確率密度を用いた手法に迫る識別性能を示した(図1)。更に、2020年に取得された衝突データを用いて識別性能の評価を行った。その結果、新手法の識別性能は現行の手法に及ばなかったが、その要因として対象飛跡由来以外の光子の影響があることを明らかにし、対応案を示した。本研究により機械学習を用いた新手法で識別性能向上ができる可能性を示し、実用上重要になる点を明らかにして実用化への土台を作ることができた。

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