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178. RICH検出器開発に向けた、HPDの性能試験と読出し回路の開発 / Takayuki Seki [BELLE2-MTHESIS-2021-056] Presented on 09 01 2004 MSc
2004
Tokyo Metropolitan University / Hachioji
今日、高エネルギー物理学では、標準理論のより詳細な検証、標準理論を越える物理 事象の観測を目標に、非加速器実験も含め数多くの実験が行われている。その中で、小 林・益川モデルの検証、CP 非対称の起源の探索を目標に1998 年に開始されたBelle 実験 は、現在まで様々な成果を上げ、標準理論をも越えるやも知れない事象の観測をするま でに至っている。Belle 実験は、電子・陽電子衝突型加速器KEKB を用いB 中間子・反 B 中間子対を大量に生成し、それらの崩壊事象を詳細に観測する事からCP 非対称性に 関する新しい結果を生み出している。これもひとえに世界最高クラスのルミノシティー L = 1034[cm¡2s¡1] を誇る加速器KEKB と、高精度なBelle 検出器を構成する検出器群が 実現できたからこそである。現在もなお、Belle 実験は更なる新しい事象の検出を目標に 稼動し続けており、2006 年まで続けられた後の計画として、加速器、検出器ともにアッ プグレードを行うことで、B 中間子を用いた加速器実験における更なる探求を目指した、 Super-KEKB という計画が立ち上がりつつある。Super-KEKB では、Belle 実験よりもハ イ・ルミノシティーな加速器、高精度な検出器をもって、”稀”な事象を余すことなく検 出することを目標としている。 現在、Belle 検出器にはK 中間子と¼ 中間子の識別用検出器として、閾値型エアロゲ ル・チェレンコフ・カウンター(以下、ACC) が導入されている。K=¼ 識別は”CP 対象性 の破れ”を測定するために、重要な要素となっている。閾値型であるためACC では、あ る運動量範囲において¼§ 中間子が輻射体中を通過した時のみチェレンコフ光が放射され ることで信号として検出され、同一運動量のK§ 中間子に対しててはチェレンコフ光が 放射されず信号が検出されない、ということからK=¼ 識別を行ってきた。現在は、信号 の大きさからチェレンコフ光の光量を見積もり、そこから”K 中間子らしさ”、”¼ 中間子 らしさ”という変数を求めることで、閾値型としてのACC よりも高効率なK=¼ 識別を実 現している。しかし、現状において、他の粒子とK 若しくは¼ 中間子との識別は全デー タ量の約90[%]、更にK=¼ 中間子間の識別は全データ量の約80[%] しか行えていない。そ して、K 若しくは¼ 中間子のどちらかであるK¼ の混合割合は約10[%] となる。 一般的に”稀”な事象を観測しようとする素粒子実験において、統計量を稼ぐためにも、 新たな事象の観測においても上記のようなデータの損失は可能な限り減らす必要がある。 そこで我々は、更なる粒子識別能力の向上を目指し現ACC に代わる新たな粒子識別検出 器として、TOP counter とRICH counter の研究・開発をSuper-KEKB 計画に向け行っ ている。その様な流れの中、私はそのRICH counter に関する研究・開発に携わってきた。 RICH counter とは、荷電粒子が薄い輻射体を通過した際、円錐状に放射されるチェレ ンコフ光の断面をリング・イメージとして捕らえることで、チェレンコフ光の放射角を測 定し、荷電粒子の速度を測定する、という検出器である。他の検出器より運動量を測定す ることで、質量を割り出すことができ荷電粒子を特定することが可能となる。リング・イ メージを捕らえる為に、RICH counter では位置分解能を有する光検出器が必要となる。 また、Belle 実験では、光検出器は磁場中で動作する必要があり、また、設置空間も狭く限 られている。そのため、RICH counter には”Proximity Forcusing RICH counter”を、光検 出器としてマルチ・チャンネルHybrid Photo Detector(HPD) 若しくはHybrid Avalanche Photo Detector(HAPD) を使用します。信号読み出しの為の回路としては、検出器にマウ ントされる読出し電子回路の増幅器として、一般的なJ-FET を用いた増幅器ではなく、 CMOS-FET を用いた集積回路によりRICH counter を実現しようと試みている。 そこで私は、RICH counter の研究・開発において、新しく開発した高性能の光検出器 HPD とHAPD の性能評価と、集積回路の設計・開発を行ってきた。HPD とHAPD の 評価においては、RICH counter に使用される予定の物は、144[channel] のHPD 若しく はHAPD だが、その前段階の試作品として開発された、Single channel HPD と、3 £ 3 channel HAPD の評価を行った。Single channel HPD に関しては、特に検出器としての 基本特性を調べ、3£ 3 channel HAPD に関しては、位置分解能を持つ光検出器としての 特性を調べた。また、光検出器の評価とは別に、読出し回路用の集積回路の設計を並行 して行い、第一作目の集積回路が、昨年4 月頃完成したので、回路の動作確認を行った。 これらの結果についてまとめ、また最終結論として、現状で実現できるであろうRICH counter 像について報告する。
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179. 144chマルチアノード型光検出器HAPDの性能評価 / Shungo Yamamoto [BELLE2-MTHESIS-2021-055] Presented on 31 03 2005 MSc
2005
Tokyo Metropolitan University / Hachioji
􀀀 実験は、高エネルギー加速器研究機構の電子陽電子非対称エネルギー衝突型円形加 速器(􀀀)によって􀀀 中間子を大量に生成し、􀀀 中間子の崩壊事象から標準モデルの 中の小林・益川理論によって説明される 対称性非保存の検証を行っている。􀀀 加 速器は高精度な加速器装置群からなり、世界最高のルミノシティー􀀀 􀀀􀀀􀀀 を 上げつつ、 年までの稼動が予定されている。その後、更なる新事象の検出を目標に、 􀀀 として稀有な確率の事象を検出しようとする計画が立ちあげられている。私たち はこの􀀀 での物理に対応するために􀀀 検出器の性能向上を目的として、検 出器の研究開発を行っている。􀀀 検出器の中で私が所属する 中間子識別グループ ( グループ)では、高い粒子識別能力をもった検出器によって貢献しようとしている。 現在の􀀀 検出器の 識別能力は 中間子( 中間子)の識別能力は で、 中間 子( 中間子)の混在する割合は 以下となっている。そこで、更なる粒子識別能力向上 を目標に􀀀 の グループではアップグレード検出器として、 ( ! "#)検出器を採用することを計画している。 検出器とは、粒子識別の対象となる荷電粒子が輻射体を通過する際に放射され る$ ! 光を位置分解能の備わっている光検出器によって測定し、光子の検出器上の 位置情報から$ ! 光の放射角を再構成し、荷電粒子の速度を求めるものである。こ のための 検出器は、輻射体としてシリカエアロゲルを採用し、「充分な有効面積 および位置分解能」を併せ持ち、且つ「 %& の磁場中で稼動」する光検出器を開発するこ とにした。このため、私たちは 検出器において高い透過率を有するシリカエアロ ゲル、新型のマルチアノード光検出器の研究開発を行っている。 この 用光検出器として、新型マルチアノード光検出器'() !"$ $# #"#* を浜松ホトニクス株式会社と共同開発している。この新型光検出器は、 真空管の中に!"$ フォトダイオード()を配置し、 のキャリアを信号と する新しい光検出器である。光電効果で発生した光電子を高電圧で加速しおよそ+ , の エネルギーを与える。この光電子が逆バイアス電圧で保持された に打ち込まれ、 光 電子の入射に対しておよそ の電子・正孔対(キャリア)が生成され、逆バイアス電圧 によってこのキャリアを信号として検出する。キャリアは!"$ 効果にっておよそ 倍され、 光子あたり 電子を信号としている。 私は 検出器の研究開発において、このマルチアノード型 の性能評価に 携わってきた。 は現在試作段階であるため、 台の でも 検出器と しての性能を評価できるようにしたい。そこで、小さな有効面積内に$ ! 光を集光 する"# 検出器を考案。この"# 検出器の性能をフラットパネル 型光検出器浜松ホトニクス、+% によって評価した。本論文ではこの"# の性能評価を交え、今回完成された -- "$ [...]
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180. 新型K/pi識別装置Proximity focusing型エアロジェルRICHの研究開発 / Yoshinobu Kozakai [BELLE2-MTHESIS-2021-054] Presented on 27 01 2005 MSc
2005
Nagoya University / Nagoya
􀀀 中間子系での 非保存現象を探る􀀀 ファクトリー実験では、希崩壊事象の検出や親􀀀 中間 子のフレーバー同定のために 中間子と􀀀 中間子を識別することが欠かせない。そこで、「エアロ ジェル」と呼ばれるチェレンコフ光を用いたリングイメージ型の􀀀 識別装置の開発研究 を行った。 現在開発中のエアロジェル は 􀀀 ファクトリー実験での使用を想定して 型のジオメトリを採用しており、検出器はチェレンコフ光の輻射体であるシリカエアロ ジェルと位置分解能を持つ光検出器から構成される。運動量 の􀀀 両中間子を 以上 で分離できる検出器を実用段階まで開発することが研究の目的であるが、 を採 用することに伴う原理的な問題が粒子識別能力向上を妨げる原因となっていた。 検出器において粒子識別の能力を向上させるにはチェレンコフ放出角の決定精度、すなわ ち角度分解能を向上させる必要がある。そのためには薄い輻射体を使用してチェレンコフ光発生点 の不定性を抑えなければならない のエアロジェルを用いた場合、角度分解能 。これ は、検出光子数を増加させるために厚い輻射体を使用することができないことを意味しており、大 光量を容易に得ることができない。これまでの開発研究ではエアロジェルの透明度、光検出器の有 効面積を改善し、検出光子数を約! 個にまで増やしてきた。しかし、 の問題の 根本的な解決には至っていなかった。 本稿では、この の問題点を解決するために「デュアルラディエーター」とい う方法の議論を行った。これは、屈折率の異なるエアロジェルを二重に用いることにより、良い角 度分解能を保ったまま輻射体を厚くして光量を増加させてトータルの の性能を上げるとい うアイデアである。これは製作段階で屈折率をある程度調節してサンプルを作ることができるとい うエアロジェルの特徴を生かしたアイデアであり、輻射体にエアロジェルを用いている検出器のみ が実現可能である。また、「デュアルラディエーター」の拡張としてさらに輻射体を多層化するこ とも考えることができる。本稿ではこれを「マルチラディエーター」と呼ぶ。 デュアルラディエーターの原理が実機で予想道理に動作するか検証するため、プロトタイプを 用いたビームテストを " 􀀀 と#ビームラインにて行った。その結果、角度分解能を損な うことなく検出光子数を増加させるという期待道理の動作を確認することができ、デュアルラディ エーターの導入で従来より検出光子数は$% 増加させて&'! 個を得ることができた。さらに、マ ルチラディエーターの導入することによって角度分解能も向上させることに成功し、 の運 動量領域において􀀀 を約('$ で分離することが可能な検出器の実現に成功した。 本論文は、 型エアロジェル の問題点を解決する「デュアル、マルチラ ディエーター」の構想、そのビームテストによる検証についてまとめたものである。
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181. Belle 実験におけるPID検出器のアップグレードの為のエアロゲルRICHに用いる2 層一体型エアロゲル輻射体の研究開発 / Shinzo Otake [BELLE2-MTHESIS-2021-053] Presented on 11 03 2005 MSc
2005
Chiba University / Chiba
2001 年7 月にBelle実験の大きな目的の一つであった。B中間子のB0 → J/ψKS、B¯0 → J/ψ KS の崩壊において、間接的ではあるがCP 対称性の破れがあることがわかった ことがローマで開催された高エネルギー学の国際会議で報告された。また、2004 年1 月 にはB0 → π+π−、B¯0 → π+π− の崩壊において直接的なCP 対称性の破れがある事が わかった。 これらから、標準理論の中でのCP 対称性の破れを予言している小林-益川理論のた また、より詳細な小林-益川理論を確立するだけでなく、新しい物理を見つける為にも より高いルミノシティーを獲得し、またそれを検出できるだけの性能を持つ検出器が要 求されてくる。 Belle 実験ではより高いルミノシティーを目指しKEKB 加速器をアップフレードが計 画されており、それと同じくBelle ディテクターもアップグレード計画がある。そのサブ ディテクターグループであるACC では現行の閾値型のエアロゲルチェレンコフカウン ターから一部分をproximity focusing リングイメージ型チェレンコフカウンターに変更 し、より広い運動量領域での粒子の識別を可能にする予定である。また、その際、輻射体 であるシリカエアロゲルを屈折率の違う2 枚(デュアル・ラディエーター) 若しくはそれ 以上の枚数のシリカエアロゲル(マルチ・ラディエーター) を用いることでリングイメー ジをfocus、defocus する事で検出光子数を落とさずに角度分解能を上げられる事が、今 まで行われてきたビームテストで確認された。更に、そのデュアル・ラディエーターや マルチ・ラディエーターをシリカエアロゲルの製作の段階で一体化させてしまう事で表 面の数の減少から表面散乱の軽減が期待できる。本論文では、そのproximity focusing リングイメージ型チェレンコフカウンターの輻射体であるシリカエアロゲルを違う屈折 率を持つエアロゲルをその製作の段階で一体化させてしまうことで輻射体としての性能 の変化をみてみたので、その結果について報告する。 第1 章では、Belle 実験について、CP 対称性の破れとB ファクトリー、Belle 検出器 について、最近の結果を踏まえて述べる。 第2 章では、第1 章で説明したBelle 検出器の1 つであるシリカエアロゲルチェレン コフカウンター(ACC) について述べる。また、現在のBelle 検出器の閾値型シリカエア ロゲルと2006 年のBelle 検出器をアップグレードする時に採用を予定しているリングイ メージ型チェレンコフカウンター(RICH) について。 第3 章では、チェレンコフカウンターの輻射体として用いられているシリカエアロゲ ルについて述べる。この章では本論文で、研究した2 層一体型エアロゲル 第4 章では、製作した2 層一体型エアロゲルの性能を透過長、屈折率を 第5 章では、結論を述べる。
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182. 新型高性能光検出器(HAPD)読み出しのためのASICの開発 / Takashi Nakagawa [BELLE2-MTHESIS-2021-052] Presented on 31 03 2006 MSc
2006
Tokyo Metropolitan University / Hachioji
B 中間子を用いCP 非保存現象を研究するBelle 実験では、B 中間子崩 壊から生ずるK 中間子とπ 中間子の識別が必要不可欠である。現在私が 属するBelle 実験サブグループであるACC (Aerogel Chrenkov Counter) グループでは、エアロジェルを用いた閾値型の光検出器を用いて高運動 量領域でのK 中間子とπ 中間子の識別を担当している。現在のBelle 測 定器におけるK/π 識別は他の測定器と情報を併せ、全事象を90 %以上の 確率でπ 中間子とK 中間子の分離が達成されている。しかし超対称性粒 子の様常等の新事象の検出には希崩壊現象の検出が不可欠であり、より 高い粒子識別能力が求められる。そこで、更なる粒子識別能力向上を目 標にACCグループでは検出器のアップグレードとしてA-RICH(Aerogel Ring Image Chrenkov Counter)検出器を採用することを計画している。 A-RICH 検出器は荷電粒子が輻射体であるエアロゲルを通過する際に 円錐状に放射されるChrenkov 光を位置分解能を持つ光検出器によって捉 え、検出器上の位置情報からChrenkov 光の放出角を再構成することで、 粒子識別を行うものである。A-RICH に使用される光検出器として「十分 な有効面積」「高い検出効率」「位置分解能」そしてBelle 検出器内に設置 するため「1.5 T の磁場中で動作可能」という条件が求められる。これら を満たすものは現在市販されているの光検出器では難しい。そこで我々 は高い透過率を有するエアロゲルの開発と平行し、新型光検出器の研究 開発を行っている。 我々は要求を満たす光検出器として、(株)浜松ホトニクスと共同で、 HAPD(Hybrid Avalanche Photo Detecter)と呼ばれる新形マルチアノー ド光検出器を共同開発している。現在試作されているHAPDは72×72mm2 (有効エリア59 × 59mm2 )の大きさを持ち12 × 12 のarray に分離され ている。そして1 台につき144 channels の出力を持ち、1 つの出力あたり 約80pF の検出器容量を持っている。 またBelle 検出器に設置される予定のA-RICH全体ではHAPD(144ch/HAPD) を700 台用いる。このとき信号読み出しは約10 万Channel となる。そこ でこれらの膨大な信号を処理するシステムが必要となってくる。このた め我々はHAPD 処理用の集積回路を開発した。 本論文では試作されたHAPD の評価及び、HAPD からの信号処理用集積 回路(ASIC:S03)の試作経緯と性能評価に関して報告する。
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183. シリカエアロゲルを用いたリングイメージチェレンコフカウンターの開発 / Atsushi Kuratani [BELLE2-MTHESIS-2021-051] Presented on 23 02 2007 MSc
2007
Chiba University / Chiba
高エネルギー加速器研究機構で行なわれているBelle 実験では、e+e¡ 衝突型加速器(KEKB) を用いてB 粒子を発生させ、その崩壊課程を詳しく観測することで、CP 対称性の非保存 に伴う小林・益川理論の検証や新しい物理法則の発見を目的している。この実験ではB 粒 子の崩壊課程に発生した大量の粒子を正確に識別する必要があり、中でも崩壊課程で生ず るπ/K 粒子を識別することはB 粒子観測の上でも重要であるる。 現在Belle 検出器のアップグレードの為に研究しているπ/K 粒子識別検出器・近接型エ アロゲルRICH(リングイメージングチェレンコフカウンター)は、荷電粒子がエアロゲ ル輻射体を通過することによって発生するチェレンコフ光を光検出器で直接観測し、その リングイメージを解析することで、通過粒子の識別をしており、4.0GeV/c といった高い 運動量の¼/K 粒子に対して4¾ 以上の分解能力を有する事が期待されている。 この検出器の輻射体であるエアロゲルの条件として、屈折率1.05 のサンプルの透明度 向上について、2004 年以来エアロゲルの新しい作成方法を導入し、更に製作条件の最適化 から、従来と比べ、二倍以上の光学的性質の向上に成功した。 また、この成功によって、輻射体エアロゲルの屈折率を調節し、それらを重ねて並べる ことでRICH 検出器の性能であるチェレンコフ角度分解能を悪化させることなく、得られ るチェレンコフ光を増加させることが可能になった。新たに製作したエアロゲルを用いプ ロトタイプを製作し、2005 年12 月のビームテストを実施し、我々のRICH 検出器が運動 量4.0GeV/c で5¾ 以上の¼-K 識別能力があることを示すと同時に、輻射体の詳細な最適 化についての試験を実施した。 本論文では上記で述べたエアロゲル製作の開発と、得られたエアロゲルを用いたビーム テストの詳細な結果を報告する。 更に、今後のRICH 検出器研究についての展望を述べる。
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184. リングイメージ型チェレンコフ検出器のための電子回路の開発とその性能評価 / Yasuo Ueki [BELLE2-MTHESIS-2021-050] Presented on 31 03 2009 MSc
2009
Tokyo Metropolitan University / Hachioji
今日、高エネルギー物理学では素粒子物理学の標準理論(以降では標準理論と呼ぶ)の検 証、標準理論を越える物理事象の観測を目標に様々な実験が行われている。その中でB 中 間子系でのCP 非保存現象を研究するBelle 実験が1999 年より開始された。Belle 実験で は、非対称エネルギー電子・陽電子衝突型加速器(KEKB) を用いて、B 中間子・反B 中間 子対を大量に生成し、それらの崩壊事象を詳細に観測することによりCP 非対称性に関す る新しい結果を得ている。 Belle 実験では希崩壊事象の検出や崩壊前のB 中間子のフレーバー同定のために、K 中間子とπ中間子の粒子識別が欠かせない。現在Belle 検出器ではK/π中間子の識別を CDC(中央飛跡検出器)、TOF(飛行時間測定器)、ACC(シリカエアロジェル・チェレ ンコフ・カウンター)で行っている。このうちACC では高運動量領域におけるK/π中間 子識別を、それら粒子が輻射体であるエアロゲル通過した際に放射するチェレンコフ光の 発生の有無により実現している。しかし現在のBelle 検出器のendcap 部においては、そ の空間的制約からACC とTOF を同時に搭載することが困難であるため、ACC のみを搭 載している。そのためendcap 部においては高運動量領域でのK/π中間子識別が行えて いない。しかしデータの蓄積により新事象を含む希崩壊現象を検出するには、統計量を稼 ぐことが必要であり、そのためにはさらなるendcap 部での粒子識別能力の向上が求めら れる。そこでendcap 部での粒子識別能力向上に向けて、現在ACC のアップグレードと してA-RICH 検出器(Aerogel-Ring Imaging CHerenkov Counter)の開発、導入を進 めている。 A-RICH 検出器は荷電粒子が輻射体であるエアロゲルを通過した際に円錐状に放射さ れるチェレンコフ光を光検出器によって捉え、チェレンコフ光の放出角を再構成しその荷 電粒子の速度を測定し、その速度と他の検出器から得られた運動量の情報から質量を割り 出し粒子識別を行う。このA-RICH 検出器の構成要素である光検出器に要求されるのは、 「十分な有効面積」「高い検出効率」「位置分解能」「1.5T の磁場中での動作」という条件で ある。我々はこれらの要求を満たす光検出器として(株)浜松ホトニクスと共同で新型マ ルチアノード型光検出器であるHAPD(Hybrid Avalanche Photo Diode)を研究・開 発している。現在試作されているHAPD は144ch の読み出しをもつものである。 Belle 検出器に設置されるA-RICH 検出器全体では144ch のHAPD を約600 台用い る予定であり、このときの信号読み出しは10 万チャンネル以上となる。そこで膨大な量 になる配線を抑え、多チャンネルに対応し、低ノイズで高利得な読み出しのできるシステ ムが必要となってくる。そのため我々はHAPD 信号処理用の集積回路(ASIC)を開発し ている。 本論文ではA-RICH 検出器の研究・開発において、読み出し電子回路として開発された ASIC「S シリーズ」の改良版であるSA01 についての試作経緯と性能評価、また2008 年 にKEK 内のFuji test beamline の電子ビームを用いて行われた、プロトタイプA-RICH 検出器のbeamtest の概要とその結果、今後の課題を報告する。
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185. Aerogel-RICH 検出器に向けたマルチアノード型光検出器:HAPD の開発 (Development of multi-anode photon detector for Aerogel-RICH Counter) / Yuichi Miyazawa [BELLE2-MTHESIS-2021-049] Presented on 21 02 2008 MSc
2008
Tokyo Univ. of Science / Noda
今日、高エネルギー物理学では標準理論のより詳細な検証、標準理論を超える物理事象 の観測を目標に、数多くの実験が行われている。その中で、小林・益川モデルの検証、CP 非対称の起源の探索を目標に1998 年にBelle 実験が開始された。Belle 実験は、電子・陽 電子衝突型加速器(KEKB) を用いて、B 中間子・反B 中間子対を大量に生成し、それらの 崩壊事象を詳細に観測することからCP 非対称性に関する新しい結果を生み出している。 現在、Belle 検出器ではK/π 中間子の識別をCDC , TOF , ACC で行っている。K/π 中 間子識別は“CP 対称性の破れ”を測定するために重要な要素となっている。このうち ACC では、ある運動量範囲においてπ 中間子が輻射体中を通過した時のみチェレンコフ 光が放射され信号として読み出され、同一運動量のK 中間子に対してはチェレンコフ光 が放射されないため信号が検出されないという検出原理により、barrel 部においては高運 動量領域のK/π 識別を主体的に行ってきた。しかし、現在のBelle 検出器のendcap 部に おいては、空間的制約からTOF とACC を同時に搭載することが困難であるため、ACC のみを搭載している。そのため、barrel 部においてTOF が主体的に行っている比較的低 運動量の粒子識別であるB 中間子のフレーバータギングを、endcap 部では単一屈折率を 持つエアロジェルを用いたACC により行っている。そのため、endcap 部では高運動量を 持つK/π 中間子に対して識別が行えていないのが現状である。一般的に、“稀”な事象を 観測しようとする素粒子実験において、統計量を稼ぐためにも、新たな事象の観測におい ても上で述べたような識別不可能な粒子があることは非常に問題となってくる。そこで、 endcap 部での粒子識別能力向上に向けて、現在ACC のアップグレードとしてA-RICH 検出器(Aerogel-Ring Imaging Cherenkov Counter) を導入することを計画している。 A-RICH 検出器は荷電粒子が輻射体であるエアロゲルを通過する際に円錐状に放射され るチェレンコフ光を位置分解能を持つ光検出器によって捉え、検出器上の位置情報から チェレンコフ光の放出角を再構成することで粒子識別を行うものである。光検出器に要求 されるのは「十分な有効面積」「高い検出効率」「位置分解能」、そしてBelle 検出器内に 設置するため「1.5T の磁場中で動作可能」という条件である。これらを満たすことは現 在市販されている光検出器では難しいため、我々はこれらの要求を満たす新型光検出器 として、(株)浜松ホトニクスと共同でHAPD(Hybrid Avalanche Photo Diode)と呼ばれ る新型マルチアノード型光検出器を研究・開発している。現在試作されているHAPD は 144ch の読み出しを持つものである。 また、Belle 検出器に設置されるA-RICH 検出器全体では144ch のHAPD を約600 台 用いる予定である。このとき信号の読み出しは約10 万チャンネルとなる。そこで、これ らの膨大な信号を処理するシステムが必要となってくるため、我々はHAPD 信号処理用 の集積回路(ASIC) も開発している。 本論文では、2007 年に製作され、初めて安定して動作している2 つの144ch HAPD に ついてAPD のふるまい、1 光電子応答性等の性能評価を行った。これによりAPD chip の 個体差がほとんどなく安定して動作しており、どちらのサンプルにおいても1 光電子信号 が観測可能であることが確認された。また、2006 年冬に製作されたASIC の最新version であるASIC-S04 の性能評価を行い、基本的な信号処理と、以前のversion であるS03 で見られた問題点が改善されていることが確認された。さらに、A-RICH 検出器に向け て、これらを組み合わせて読み出し系全体としての動作試験を行い、初めてASIC により HAPD による1 光電子信号が観測された結果等も報告する。
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186. Belle II実験の為のAerogel RICH検出器用読み出し電子回路の開発 / Eiryo Kuroda [BELLE2-MTHESIS-2021-048] Presented on 31 03 2010 MSc
2010
Tokyo Metropolitan University / Hachioji
Belle 実験はB 中間子におけるCP 対称性の破れを観測し、小林・益川理論の検 証を行なう事を目的として1999 年より開始された実験である。Belle 実験では、電 子・陽電子衝突型加速器KEKBを用いてB中間子・反B中間子対を大量に生成し、 それらの崩壊事象をBelle 測定器によって詳細に観測する事でCP 対称性の破れの 検証や新しい共鳴状態の発見等、数々の成果を挙げてきた。これらの結果には標 準モデルを超えた新しい物理を示唆する結果も含まれているが、新しい物理の証 拠と言える程の精度での結果には至っていない。この新しい物理を示唆する結果 の更なる検証、新しい物理を含む崩壊事象を観測する為にBelle 実験の後継実験と してBelle II 実験が計画されている。Belle II 実験ではBelle 実験よりも更に高い ルミノシティの加速器SuperKEKB と更に高精度なBelle II 測定器を用いて新しい 物理を含む稀少な事象を余す事なく検出する事を目標としており、そのために検 出器・加速器のアップグレードが進行している。 Belle 実験、Belle II 実験では稀崩壊事象の検出や崩壊前のB 中間子のフレー バーの同定の為に、K 中間子とπ中間子の粒子識別が欠かせない。Belle 実験では K/π粒子識別をCDC(Central Drift Chamber)、TOF(Time-Of-Flight Counter)、 ACC(Aerogel Cherenkov Counter) で行なっている。この内、ACC は高運動量領 域でのK/π粒子識別を担っているが、Belle 測定器のendcap 部においては、空間 的制約により低運動量領域でのK/π粒子識別を担っているTOF の搭載が困難で あった為、ACC のみで比較的低い運動量領域でのK/π粒子識別を行なっている。 しかし、Belle II 実験で新事象を含む稀崩壊事象を検出する為には、統計量を稼ぐ 必要があり、endcap 部でも高運動量領域のK/π粒子識別を行なう事が求められ る。そこで、endcap 部での粒子識別能力向上に向けて、新たなK/π粒子識別検出 器としてAerogel RICH(Ring Imaging Cherenkov Counter) 検出器の導入を計画し ており、開発を進めている。 Aerogel RICH 検出器は、荷電粒子が輻射体であるaerogel を通過する際に発生 するチェレンコフ光を光検出器でリング状に検出し、チェレンコフ光の放射角を 再構成し荷電粒子の速度を導出する。この速度情報と他の検出器で得られる運動 量情報からK/π粒子識別を行なう。このため、Aerogel RICH 検出器に用いられ る光検出器は1 光子程度であるチェレンコフ光を検出可能で、十分な位置分解能・ 有効面積を持っている事が求められる。我々はこれらの要求を満たす光検出器と して144 チャンネルのHAPD(Hybrid Avalanche Photo Detector) を(株) 浜松ホト ニクスと共同で開発している。 HAPD は一般的な光電子増倍管と比較すると増幅率が低く、読み出しには高利 得・低雑音の増幅器が必要となる。また、Belle II 測定器にインストールする際に は約500 台のHAPD を使用する為、計7 万チャンネルに及ぶ信号を同時に読み出 す事が可能な読み出し電子回路が必要である。そのため、144 チャンネルHAPD の信号読み出し電子回路をASIC(Application Specific Integrated Circuit) として 開発している。また、柔軟な読み出しを可能にし、Belle II のデータ収集システ ムの対応できるようにする為に、ASIC からのデジタル信号の処理をFPGA(Field Programmable Gate Array) で行なう事を計画している。 本論文では、Aerogel RICH 検出器の読み出し回路として開発されたASIC の 「SA-series」のSA01 とFPGA を用いた読み出しシステムの動作検証とチャンネル 数を増やした新ASIC のSA02 の性能評価について記述する。また、Aerogel RICH 検出器の性能評価として2009 年11 月に行なったプロトタイプAerogel RICH 検出 器のビーム照射実験の結果についても述べる。 ii
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187. エアロジェルRICHのためのマルチアノード型HAPD光検出器の開発研究 / Susumu Shiizuka [BELLE2-MTHESIS-2021-047] Presented on 21 01 2020 MSc
2020
Nagoya University / Nagoya
高エネルギー加速器研究機構で行われている􀀀 ファクトリー実験では、加速器のビーム強度を現在 の 倍に増加するアップグレードが計画されている。このアップグレードに伴い、高精度の􀀀 粒子識別装置の改善を目指し、前方エンドキャップに設置された閾値型 を にアップグレードすることが計画さ れている。これは 光を発生させる輻射体と、光検出器から構成される。 は光の検出位置から 放出角度の再構成を行い、􀀀 の識別を行う。 を 用いることで􀀀 までの高運動量領域で􀀀 識別能力􀀀 を目指す。光検出器には以下のよ うな性能が必要とされる。 ・1光子検出能力 ・ 位置分解能 ・ 磁場耐性 ・広い有効面積 ・放射線耐性 これらの要請を満たす光検出器として我々は !"#!# の開発 研究を行っている。!# は真空管と半導体検出器 ! # !# を組み合わせ た構造を有し、位置検出のために$% の!# を使用している。しかし、 位置分解能や 磁場耐性、放射線耐性といった問題が未だに評価されていなかった。 私は!# の磁場耐性、位置分解能、放射線耐性の評価を行い、!# を用いた の􀀀 & による性能評価を実施した。 電磁石を用いた実験により!# の磁場耐性が確認された。さらに磁場下では全ての$% で 位置分解能を達成した。 放射線耐性に関して、􀀀 では 年間に􀀀􀀀􀀀 の照射を想定しており、 年 分までの中性子量を原子炉を用いて照射した。その結果、' 年分の放射線耐性を確認した。しかし、 年分では()* の悪化から検出効率が+以下に低下した。これらの結果から中性子による性能 悪化が読み出し回路や!# の構造の最適化によって改善される方法を考案することができた。実 際に()* が, から- 以上に改善することを確認した。 本研究により!# が に適した光検出器であると結論する。
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