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000002493 005__ 20210629034508.0
000002493 037__ $$aBELLE2-MTHESIS-2021-039
000002493 041__ $$ajp
000002493 100__ $$aNao Hamada
000002493 245__ $$aBelleII実験に使用する粒子識別用光検出器HAPDの放射線耐性評価
000002493 260__ $$aFunabashi$$bToho Univ.$$c2014
000002493 300__ $$amult. p
000002493 500__ $$aPresented on 13 01 2014
000002493 502__ $$aMSc$$bFunabashi, Toho Univ.$$c2014
000002493 520__ $$a今日、素粒子物理学では物理学の本となる枠組み(標準模型)の詳細な検証および、それ を超える新しい物理の検証をするために世界各国で実験がおこなわれている。そのひとつで あるBelle 実験は小林・益川理論の検証を目指し、その理論の予言するCP 対称性の破れを 証明するため、1998 年に茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構で開始された。CP 対称性の破れとはC(Charge) 変換とP(Parity) 変換を行った際、その前後で物理法則が変わ ることを示す。このCP対称性の破れが初めて実験的に観測されたのは1964 年J.W.Cronin, V.L.Fitch らによるK 中間子の弱い相互作用による崩壊過程の実験であった。これを標準 理論の範囲で説明したのが小林・益川理論であり、B 中間子の崩壊過程ではK 中間子より 大きくCP 対称性が破れることが予想され、Belle 実験が行われた。この実験は電子・陽電 子非対称衝突型エネルギー衝突型円形加速器KEKB で大量のB 中間子・反B 中間子を生 成し、その崩壊過程をBelle 検出器で観測するものであった。2001 年の夏、B0 ! J= Ks 崩壊過程において測定されたCP 非対称性度は標準模型で予測される値と極めてよく一致 し、CP 対称性の破れが小林・益川理論により説明できることが証明された。新物理に関与 する稀崩壊や興味深い現象も発見されたが、統計制度が不十分であり、新物理や新現象発 見に決着をつけることは困難であった。そこで一桁以上の統計向上を目的としたBelleII 実 験が2015 年より開始される。現在、測定精度もより向上させるために、加速器・検出器と もにアップグレードが行われている。 B中間子の稀崩壊事象や崩壊前のB中間子のフレーバー同定のためには、その崩壊粒子であ るK中間子・ 中間子の識別が必要であり、非常に重要である。Belle 実験ではこの識別のた めに閾値型チェレンコフ光検出器ACC(Aerogel Cherenkov Counter) が開発された。Belle 測 定器前方に取り付けられたACCはB中間子フレーバー特定に特化されており、その運動量 識別範囲は0.5~2.0GeV/c であった。BelleII 実験ではこの識別可能範囲を4.0GeV/c まで広 げるためにACC に代わる新しい検出器であるA-RICH(Aerogel Ring Imaging Cherenkov counter) の開発が進められている。A-RICH 検出器は粒子が輻射体を通過した時に発生 するチェレンコフ光をリングイメージで検出し、そのリング半径から輻射角度を測定す る。輻射体にはAerogel、リングイメージ観測のための光検出器には、Hybrid Avalanche Photo Detector(HAPD)、読み出し回路にはASIC とFPGA を用いる。HAPD は新型のマ ルチアノード型光検出器で、2002 年より浜松ホトニクス(株)と共同開発を行っている。 4:94:9mmのAPDが144ch 内蔵された真空管で、2 段増幅型の検出器である。「十分な有 効面積」「5 5mm以下の位置分解能」「単光子検出が可能」1.5T の磁場中での動作」「十 分な放射線耐性」が要求として求められる。現在は特に放射線耐性が問題となっており、 BelleII 実験10 年間の稼働でガンマ線は1000Gy、中性子線は1:0 1012n=cm2 の積算線量 が予測されているため、HAPD がこの線量に対して耐性を持つように開発することが必要 となる。これまでの研究で中性子線に対してはAPD 内のP 層を薄くすること、また読み 出し回路の波形整形時間を短くすることによって耐性向上につながることがわかっている。 ガンマ線に関しては、照射されると強い影響を受け、通常では考えられない急激な電流増 加おきるが、APD 表面膜の帯電の影響により引き起こされていることがわかっている。本 研究ではこれまでの放射線耐性試験の総まとめとして中性子線・ガンマ線を複合的に照射 し、その影響を調べる試験を行った。APD への影響はそれぞれ独立であることが確認でき た。また、HAPD 表面の光電面やAPD 内の複数の表面膜でガンマ線・中性子線の単光子 検出に影響を与えているものはないか、またそれぞれの膜の厚さによる影響の違いを調べ、 より高い利得が得られるように改良を行い、BelleII 実験10 年間の稼働でも放射線耐性を持 つHAPD の開発に成功した。
000002493 8560_ $$fshohei.nishida@kek.jp
000002493 8564_ $$uhttps://docs.belle2.org/record/2493/files/BELLE2-MTHESIS-2021-039.pdf
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