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Thesis | BELLE2-MTHESIS-2019-017 |
Naoto Kiribe
2013
Nagoya university
Nagoya
Abstract: 2016 年開始予定のBelle II 実験は、B 中間子の稀崩壊現象を調べることで、標準理論を超える物 理の探索を行うことを目的とした素粒子実験である。私は、Belle II 実験でK= 識別を担う粒子識 別装置TOP カウンターの研究開発を行っている。TOP カウンターは、石英輻射体やフォーカシン グミラーなどの光学素子と光検出器MCP-PMT から構成される。荷電粒子が石英輻射体内を通過 する際に発生するチェレンコフ光を光学素子内で伝播させ、そのリングイメージをMCP-PMT で 検出し、粒子識別を行う。私は、その中でも石英輻射体の製作、検査システムについて研究を行っ た。 現在、全16 機のTOP カウンター量産のための石英輻射体の製造が始まっている。粒子識別の能 力は、検出される光子数の1/2 乗に比例するため、各輻射体に対して、内部透過率98.5 %/m、内部 表面反射率99.9 %などが要求される。私は、レーザーとフォトダイオードを用いた測定システム を開発した。レーザーの光路を分割し光量モニターを導入することで、十分なレーザー光量測定精 度±0:2 % を実現した。これにより、試作石英輻射体が、内部透過率、内部表面反射率の要求性能 を満たすことを確認した。さらに、量産に対応すべく、測定システムの自動化を行った。レーザー の光路は、石英輻射体表面のゆがみの影響を受けて変化する。したがって、フォトダイオード応答 の位置依存性を理解し、各レーザー入射位置に対しフォトダイオード位置をスキャンする事で、自 動化を実現した。 石英輻射体表面に欠けがあると、光子の損失や散乱が発生する。石英のような透明体の欠けは 写真に写りにくく、試作石英輻射体に対しては測定されなかった。私は、同軸落射照明を用いる事 で、欠けを写し出す撮影システムを構築した。また、O(0:01) mm2 の精度で欠けの大きさを測る画 像解析法を示した。 TOP カウンターを構成するためには、2つの石英輻射体とフォーカシングミラーを相対角度0.2 mrad 以下で接着する必要がある。私は、オートコリメータやレーザー変位計を用い、相対角度を O(0:01) mrad で制御可能なシステムを構築した。また、接着剤の吐出量制御装置を導入し、気泡の 発生を防いだ。結果として、実機サイズの試作石英輻射体に対して接着を成功させた。以上によ り、実機石英輻射体の接着の準備が整った。 本研究により、石英輻射体の量産における内部透過率、内部表面反射率、欠けの評価の準備が 整った。また、接着のシステム・手法を構築した。
Note: Presented on 01 02 2013
Note: MSc
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