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Thesis | BELLE2-MTHESIS-2019-015 |
Takuya Yonekura
2015
Nagoya university
Nagoya
Abstract: 2017 年から開始されるBelle II 実験では、B 中間子などの稀崩壊を精密に測定することで、標 準模型では説明できない新物理の探索などを行う。そのために私たちは石英輻射体と光検出器で構 成される粒子識別装置TOP(Time Of Propagation) カウンターを開発している。K/π 中間子から のチェレンコフ光の伝播時間の差O(100 ps) を約20 個の光子数で判別するため、一光子検出に対 して高い時間分解能を持つ光検出器が必要である。これまでの研究で必要な性能を持つ光検出器 MCP(Micro Channel Plate)-PMT の開発に成功し、実際の使用に向けた512 本のMCP-PMT の 量産や性能評価を行う段階となった。 世界的にみても、このような大量のMCP-PMT を実験に使用した例はない。そのため、性能評 価を量産に沿って行い、必要な性能を満たさない場合は改善する必要がある。また、実際に使用す る1.5 T 磁場中でのTOP カウンターの粒子識別性能の調整や理解のためのデータが必要である。 よって、私は1.5 T 中でMCP-PMT 全数を測定可能なシステムを構築するとともに、量子効率、 増幅率、時間分解能、収集効率の測定を行った。 量産の結果、ピーク波長での全数の平均量子効率が28.6% となり、要求である28% を満たすこと ができた。1.5 T 中では増幅率が10∼90% 減少するものの、時間分解能の悪化はないと確認した。 収集効率の減少率は5% 程度で、TOP カウンターの粒子識別性能への影響は十分小さいと確認で きた。また、1.5 T 中での各性能の印加電圧依存性の把握によって、各性能の要求を満たしつつ増 幅率の調整が可能になった。MCP-PMT の量子効率は総出力電荷量に従って低下するが、増幅率 を下げ、量子効率の低下の抑制が可能となった。本研究によって、必要な性能を持つMCP-PMT の量産を成功させ、実際の使用に向けた性能評価を完了し、TOP カウンターの性能の調整や理解 を可能にした。 バックグラウンドの理解が進み、量産品の約半数ある短寿命品の量子効率が実験中に低下すると 予想された。そのため、実験中にPMT の交換を行う可能性がある。交換後の量子効率の低下によ る複数回の交換を防ぐため、短寿命品の約9 倍以上の長寿命化を目指し、6 種の長寿命化対策を試 みた。各対策の試作品の寿命を測定し、必要な寿命を持つ対策を明らかにした。
Note: Presented on 01 02 2015
Note: MSc
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