Thesis BELLE2-MTHESIS-2019-014

Study on PMT assembly for Belle II TOP counter mass production

Daiki Furumura

2015
Nagoya university Nagoya

Abstract: Belle II 実験では、B 中間子稀崩壊の精密測定により、標準模型を超えた新物理の探索を行う。我々は Belle II 検出器でK/ 識別を担うTOP カウンターを開発し、識別効率95 % 以上、誤識別率5 % 以下の 識別性能を目指している。TOP カウンターは、石英輻射体と光検出器MCP-PMT からなる新型リングイ メージ型チェレンコフ検出器であり、上記の識別性能を満たすには、発生したチェレンコフ光子の80 % 以 上がMCP-PMT に到達することが要求される。各光学素子の性能評価、石英輻射体の接着手法開発など の先行研究が進められてきた中で、MCP-PMT のアライメントと石英輻射体との光学接着を含めたPMT アセンブリ手法の確立が課題として残されていた。TOP カウンターでは、MCP-PMT の寿命の問題から 実験期間中にPMT の交換が必要になるため、PMT を着脱可能な方法で光学接着する必要がある。且つ、 接着面に気泡が入ると、全反射により到達光子数が減少するため、気泡を残さない光学接着が要求される。 試作機で行った光学グリスによる接着では、接着面の気泡が問題となり、これを解決しなければ実機量産を 開始できなかった。 そこで本研究では、シリコンゴムを使用し、PMT を石英に対して約1.5 kgf/PMT 以下の構造上安全な 力で押し付けることで光学接着することを目指した。シリコンゴムがBelle II 実験の環境下で使用可能か を調べるために、ガンマ線照射試験を行い、10 年の実験期間で予想される照射量100 Gy に対して、十分 な耐性を持つことを確かめた。このシリコンゴムに対して万能試験機による圧縮試験を行い、目標値である 約1.5 kgf/PMT 以下の力で接着面に気泡を残さずに接着するための硬度と形状を決定した。また、PMT のアライメントを保ったまま石英に押し付けるためのモジュールの製作手法も確立し、小型の模型及びほぼ 実機仕様の試作機での接着試験で、いずれも気泡を残さずに接着できることを目視で確かめた。実機一号機 の製作では、開発した手法で実際にPMT の取り付け及び取り外しが可能であることを実証した。実機で は目視による確認ができないため、CCD カメラを用いて接着面に気泡が残らないことを確認した。 本研究により、実機量産において課題であったPMT アセンブリ手法を確立した。試作機製作時に大き な問題であった気泡の問題を解決し、実機量産を可能にした。この手法の確立により、PMT に到達する光 子の割合が80 % 以上という要求を十分に満たす光学接着が可能になった。

Note: Presented on 01 02 2015
Note: MSc

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 Record created 2019-11-05, last modified 2019-11-05


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