Development and performance study of particle identification using machine learning technique at the Belle II experiment (in Japanese)
Category: Master Thesis, Visibility: Public
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Authors | Jo Yamanouchi |
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Date | Jan. 1, 2020 |
Belle II Number | BELLE2-MTHESIS-2021-009 |
Abstract | SuperKEKB/Belle II実験では7 GeVと4 GeVに加速された電子・陽電子を衝突させることで高統計量のB中間子対等を生成し、終状態粒子の情報をもとに崩壊の様子を精密に測定することで標準理論の精密測定や新物理探索を行う。本実験では荷電粒子の識別を行う際に、チェレンコフ角やエネルギー損失などの測定が可能な6つの検出器の情報を用いる。現在各検出器から得られる尤度の積を指標として粒子識別を行なっている。しかしまだ期待通りの識別性能が出ておらず、例えば尤度計算の際に必要な検出器の応答モデルに問題がある可能性が存在する。そこで本研究ではそうした問題等によって現れる各検出器の尤度の相関を考慮することが可能な機械学習手法を導入することで、検出器の応答をより理解するとともに、粒子識別性能の向上を目指した。本研究では機械学習の入力変数に各検出器の対数尤度と運動量・位置情報を使用し、また様々なパラメータの最適化を行うことで正確に識別することが重要な/K粒子に着目した新たな粒子識別アルゴリズムの開発とシミュレーションデータによる性能評価を行った。その結果、特に0.5 GeV以下の低運動量領域や2.5 GeV以上の高運動量領域で性能を大きく向上させることに成功した。また機械学習による粒子識別性能の向上の理由を追求し、低運動量領域では粒子の崩壊によってミストラッキングされるなどの特殊な事象が原因で粒子識別性能が悪化してしまう情報を機械学習が補正することで性能を向上できることを示した。高運動量領域においてはTimeOf Propagationカウンター(TOP)の尤度を小さくする補正をかけることで識別性能を向上させていることがわかり、TOPの粒子識別モデルの不完全性を示唆していることをつきとめた。そこでTOPの粒子識別モデルについて調査を行ない、/K識別においてKの誤識別率を半分程度にまで向上できる余地があることを示した。次に本アルゴリズムが実際のデータに対しても性能を発揮するかを確認するため、2019年に取得された実験初期衝突データによる粒子識別性能の評価を行った。その結果、図1に示されるような特に2.5 GeV以上の高運動量領域で機械学習によりの識別効率90%時のKの誤識別率を30%から23%へと大きく削減することに成功し、本アルゴリズムが有用であることを示した。また現時点でデータの較正が完了していないことから、較正完了後さらなる性能向上が見込まれる。本研究は本実験全体の粒子識別アルゴリズムに機械学習を活用した初めての研究であり、本研究の結果から本実験における/K粒子識別性能のさらなる向上が可能であることを示した。今後陽子など他の荷電粒子に対しても同じように機械学習を活用することで、他の荷電粒子に対する粒子識別性能の向上が可能であると考えられる。 |
Conference | Nagoya |
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