Belle II 実験ARICH 検出器のための異常検知システムの開発

Sumitted to PubDB: 2021-06-28

Category: Master Thesis, Visibility: Public

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Authors masaki kobayashi
Date Jan. 1, 2020
Belle II Number BELLE2-MTHESIS-2021-028
Abstract Belle II 実験は茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK) で行われており,SuperKEKB 加速器で加速した電子-陽電子を衝突させることでB 中間子を大量に生成し,その崩壊過程に含まれる稀な事象を測定することで新物理の探索を行う. その測定を行うBelle II 測定器は, 複数の検出器によって構成されており, そのエンドキャップ部で新物理探索に感度がある崩壊モードに多く含まれる荷電K 中間子と荷電π 中間子の識別を行う装置がARICH(Aerogel Ring Imaging CHerenkov) 検出器である.高精度の新物理探索のためにはBelle II 測定器の長期安定運用が必要であり, 突発的な故障が生じた際は早急な対応が必要である. しかしARICH 検出器は420 台のHAPD とその読み出し回路から構成され, 高電圧電源を含め大量の情報を常時監視する必要がある.本研究では検出器の異常を早期に検出する自動異常検知システムの開発を行った. 本システムではARICH 検出器で使用する光検出器の電圧や電流, 読み出し回路の温度のモニター値を設定した閾値と比較することで異常を素早く検知し, また対応を行うために必要な情報を提供する.本システムは2019 年の春と秋の実験期間にて運用を行った. 秋の実験期間においては1 件の重大な異常を検出することができた. また, 検出した異常は電子メールでアラートとして通知を行い, メールには異常に対応するのに必要な情報として異常が生じたチャンネルの時間変動をブラウザ上で閲覧できるシステムを開発した.異常が検出されたチャンネルだけではなく, 全チャンネルの時間変動を見ることのできるウェブインターフェースを開発し, KEK 外にいるARICH グループの関係者も過去のモニター値の時間変動を確認できるようになった.本論文ではARICH 検出器異常検知システムの実装に関する詳細と2019 年の運用実績 について述べる.
Conference Hachioji

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