Belle II 実験ARICH検出器用モニターシステムの実装
Category: Master Thesis, Visibility: Public
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Authors | Hidekazu Kakuno, Kouta Noguchi |
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Date | Jan. 1, 2018 |
Belle II Number | BELLE2-MTHESIS-2021-032 |
Abstract | 高エネルギー加速器研究機構では現在Belle II 実験の準備を進めている。Belle II 実験はSu- perKEKB 加速器によって電子・陽電子を加速、衝突させB 中間子対を大量に生成するルミノ シティフロンティア実験であり、1999 年から2010 年まで行われ、小林・益川模型を証明した Belle 実験のアップグレードである。Belle 実験の50 倍の統計量を集め、その崩壊過程から稀 事象を観測することにより、新物理を探索することを目的とする。 Belle II 実験では新たにBelle II 測定器を製作し、B 中間子の崩壊を精密に測定する。Belle II 測定器は各役割を持つ複数の検出器から成る。その中でEndcap 部と呼ばれる領域では、 Aerogel-RICH(Ring Imaging Cherenkov) 検出器が荷電K= の粒子識別の役割を担う。輻射 体(シリカエアロゲル) を荷電粒子が通過した際に発生するCherenkov 光を後段の光検出器 HAPD(Hybrid Avalanche Photo detector) で二次元的にリングイメージとして検出するもの である。HAPD は光子が入射した時、光電面にて光電子を発生させる。それを印加電場で加 速させることでO(103) 程度の増幅を行う。加速された電子はAPD に入射し、Avalanche 増幅 によりO(10) 程度の増幅を行い、合計O(104) の増幅率で電荷が増幅される。さらに読み出し ASIC で増幅、波形整形および波高選別されて最終的にヒット情報として検出される。 ARICH では一台で144ch を持つHAPD を420 台使用するため、チャンネルの合計数は6 万 以上になる。HAPD の動作はARICH の性能に影響するため、全チャンネルの動作確認を行う モニターシステムが必要不可欠である。ARICH モニターシステムではLED からのパルス光を 光ファイバーによってARICH 内部に照射してシリカエアロゲルで反射させ、その光をHAPD が正常に検出することを確認することによって定期的にHAPD の動作確認を行う。Belle II 実 験開始時期には組み上げたシステムの健全性の確認、安定期には故障チャンネル情報及び各 チャンネルの出力変化時のキャリブレーションのために使用する。 本研究ではARICH 検出器のモニターシステムの実装、各構成要素の調整、動作試験を行っ た。モニターシステムによるLED 光はチェレンコフ光に代わる光源となるため、モニターシ ステムの動作試験であると同時にARICH 検出器の動作試験となる。本論文ではモニターシス テムの実装と、試験運用について報告する。 |
Conference | Hachioji |
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