新型K/pi識別装置Proximity focusing型エアロジェルRICHの研究開発
Category: Master Thesis, Visibility: Public
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Authors | |
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Non-Belle II authors | Yoshinobu Kozakai |
Date | Jan. 1, 2005 |
Belle II Number | BELLE2-MTHESIS-2021-054 |
Abstract | 中間子系での 非保存現象を探る ファクトリー実験では、希崩壊事象の検出や親 中間 子のフレーバー同定のために 中間子と 中間子を識別することが欠かせない。そこで、「エアロ ジェル」と呼ばれるチェレンコフ光を用いたリングイメージ型の 識別装置の開発研究 を行った。 現在開発中のエアロジェル は ファクトリー実験での使用を想定して 型のジオメトリを採用しており、検出器はチェレンコフ光の輻射体であるシリカエアロ ジェルと位置分解能を持つ光検出器から構成される。運動量 の 両中間子を 以上 で分離できる検出器を実用段階まで開発することが研究の目的であるが、 を採 用することに伴う原理的な問題が粒子識別能力向上を妨げる原因となっていた。 検出器において粒子識別の能力を向上させるにはチェレンコフ放出角の決定精度、すなわ ち角度分解能を向上させる必要がある。そのためには薄い輻射体を使用してチェレンコフ光発生点 の不定性を抑えなければならない のエアロジェルを用いた場合、角度分解能 。これ は、検出光子数を増加させるために厚い輻射体を使用することができないことを意味しており、大 光量を容易に得ることができない。これまでの開発研究ではエアロジェルの透明度、光検出器の有 効面積を改善し、検出光子数を約! 個にまで増やしてきた。しかし、 の問題の 根本的な解決には至っていなかった。 本稿では、この の問題点を解決するために「デュアルラディエーター」とい う方法の議論を行った。これは、屈折率の異なるエアロジェルを二重に用いることにより、良い角 度分解能を保ったまま輻射体を厚くして光量を増加させてトータルの の性能を上げるとい うアイデアである。これは製作段階で屈折率をある程度調節してサンプルを作ることができるとい うエアロジェルの特徴を生かしたアイデアであり、輻射体にエアロジェルを用いている検出器のみ が実現可能である。また、「デュアルラディエーター」の拡張としてさらに輻射体を多層化するこ とも考えることができる。本稿ではこれを「マルチラディエーター」と呼ぶ。 デュアルラディエーターの原理が実機で予想道理に動作するか検証するため、プロトタイプを 用いたビームテストを " と#ビームラインにて行った。その結果、角度分解能を損な うことなく検出光子数を増加させるという期待道理の動作を確認することができ、デュアルラディ エーターの導入で従来より検出光子数は$% 増加させて&'! 個を得ることができた。さらに、マ ルチラディエーターの導入することによって角度分解能も向上させることに成功し、 の運 動量領域において を約('$ で分離することが可能な検出器の実現に成功した。 本論文は、 型エアロジェル の問題点を解決する「デュアル、マルチラ ディエーター」の構想、そのビームテストによる検証についてまとめたものである。 |
Conference | Nagoya |
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latest upload: 2024-12-02